若宮防衛副大臣が下地市長に千代田案説明 陸自配備「大福案」は断念


この記事を書いた人 金城 美智子

 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、若宮健嗣防衛副大臣が2日午前、下地敏彦市長と面談し、候補地の一つのゴルフ場「千代田カントリークラブ」(市上野)に配備する駐屯地の施設案を説明した。警備部隊や地対艦、地対空ミサイル部隊の隊員のための隊庁舎と家族向け宿舎、車両整備工場、倉庫、福利厚生施設、グラウンドなどを整備。一方、近隣住民が懸念するヘリパッドや火薬庫を配備する計画は現時点ではないとした。

 下地市長が市議会6月定例会で別の候補地、「旧大福牧場」(市平良)周辺への配備を反対したことを受けて、若宮副大臣は「陸自部隊を『大福』に整備することはしない」と述べた。防衛省が「大福」の断念を表明するのは初めて。一方、大福の代替地を検討するかについては明言しなかった。

 下地市長は「市の関係法令に関わる書類などを提出していただければ、迅速に対処していきたい」と話した。若宮副大臣は「迅速な手続きをしていただけるとの言葉を受け、心からありがたいと思っている」と感謝した。

 防衛省は2016年度予算で、宮古島での駐屯地建設に関する用地取得や敷地造成費用として108億円を盛り込んでいる。17年度予算の概算要求でも駐屯地施設の建設費用として、351億円を盛り込んだ。
【琉球新報電子版】