抗議に退役軍人らも参加 高江、機動隊100人が車両移動


この記事を書いた人 金城 美智子
互いに腕を組み必死になって座り込む市民ら=5日午前10時半ごろ、東村高江の県道70号

 【ヘリパッド取材班】東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、沖縄防衛局は5日午前、大型トラック20台分の資材をN1地区ゲートに搬入した。

 米国の退役軍人でつくる「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」のメンバーやヘリパッド建設に反対する市民ら約30人は米軍北部訓練場メインゲートと高江橋間の県道70号で抗議行動を展開。工事車両による資材搬入を遅らせるため、道路の中央線をまたぐように車両を止めたり、複数人で腕を組み合いながら道路に座り込んだりしたが、100人以上の機動隊が排除した。市民らの車両も機動隊がキャスター付き車両移動用ジャッキを使って道端に移動させた。

 機動隊はジャッキで市民らの車を移動する際に「運転手はいませんか。移動させますよ。車が傷ついても知りませんよ」と呼び掛けた。市民の1人は「沖縄の選挙で民意は示されているが、政治に反映されない。だから抗議活動をしているのに、それさえ遮られたら、私たちはどのように意思表示をしたらいいのか。教えてください」と問い掛けた。

 高江橋付近でVFPのメンバーはメインゲートの方角に向かって拡声器のマイクを握りしめ、英語で「あなたは人を殺したことがありますか。見たことがありますか。それを望んでいますか。私たちに兵士はいらない」と基地内にいる米兵に訴えた。
【琉球新報電子版】