FC琉球 競り勝つ 長野に2―1 サッカーJ3第26節


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 サッカー明治安田J3第26節のFC琉球は23日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場でAC長野パルセイロと対戦し、2―1で勝利した。琉球は11勝6分け9敗。勝ち点39で順位を7位に上げた。

 琉球は前半2分にMF朴利基が先制して勢いに乗るも、後半に同点に追いつかれた。後半終了間際、琉球のコーナーキック時に相手選手のファウルでPKを獲得。MF田中恵太が落ち着いてゴールを決め、これまで12敗1分けのAC長野相手に貴重な勝利をつかみ取った。次戦は30日、鹿児島県立鴨池陸上競技場で鹿児島ユナイテッドFCと戦う。

(2)沖縄県(1勝1敗)
琉球 11勝6分け9敗(39)
2―1(1―0,1―1)
長野 12勝6分け8敗(42)
▽得点者【琉】朴利基(4)田中(PK)(13)【野】コンハード(2)
▽観衆 1354人

 【評】FC琉球は前半2分、FW富所悠が相手守備2人を振り切って中央にクロスを転がすと、MW朴利基がフリーで先制した。前半は互いに積極的な攻撃にならず、その後に互いにエンジンが掛かり始めた後半27分、琉球は同点に追いつかれる。終盤は琉球がカウンターの機会を増やす中、コーナーキック時に相手選手のファウルでPKを得ると、MF田中恵太が決勝点となるシュートを決めた。(嘉陽拓也)

◆後半、積極性出た
 金鐘成監督(FC琉球)の話 守備がしっかりしている長野に対して、ボールを散らしてどうこじ開けるか想定したが、思った以上に長野の動きが固く、琉球も先制後の動きがゆっくりしてしまった。積極性が出たのは後半の失点後。最後はPKで点は取れたが、いい形ではなかった。最近はシュート本数が増え、自分たちの形が出せるようになってきた結果が出た。

◆失点は不本意
 三浦文丈監督(AC長野)の話 試合の入り方を意識していたが、ミスによる失点で前半は選手が弱気になった。後半に落ち着きを取り戻し、1点を奪ったのはよくやってくれた。最後の失点は不本意な形だが監督の責任だ。

◆全員の思い結実/上位長野に金星

FC琉球―AC長野パルセイロ 後半90分 FC琉球の田中恵太が決勝点となるペナルティーキックを決める=23日午後5時50分、県総合運動公園陸上競技場(具志堅千恵子撮影)

 現在の順位に甘んじることなく上位を目指すFC琉球。選手、監督らチーム全員の思いが、これまで12敗1分けのAC長野から金星を挙げた。

 相手守備がばたついていた前半2分、FW富所悠が右サイドから守備2人を振り切って流したクロスにMF朴利基が「練習通り」の反応で先制した。しかし、金鐘成監督が求める「先制点後も畳み掛ける攻撃」は続かず、攻めきれない。

 後半、常にJ3上位の長野が途中交代の選手を軸にしたパワープレーで同点に追いつくと、琉球もエンジンが掛かり始めた。ロングパスやセットプレーで攻め立てる長野にフリーで打たせない。一方でカウンターの機会を増やしていった。

 積極性が終了間際に最大の好機をもたらす。最後のワンプレーとなる琉球のコーナーキック時に、長野のファウルでPKのチャンスを得た。リーグ得点順位トップの田中恵太が冷静に蹴り込むと、歓喜のガッツポーズをみせた。

 残り4試合を全勝で終えるため、金監督を始め選手全員が長野戦に向け、緊張感を持って練習してきた。先制点を取った朴は「勝てなかった相手に勝てたことは力になった。残る上位チームとの試合も負けないという自信を持って挑める」と力を込めた。(嘉陽拓也)