高江、掘削斜面に土留めなし  市民「安全に不備」


この記事を書いた人 金城 美智子
ほぼ垂直に掘削された斜面に土留めがないまま囲まれて作業する作業員ら=25日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設予定地・H地区(読者提供)

【ヘリパッド取材班】米軍北部訓練場の新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する市民ら約30人は25日、前日に周辺への赤土流出が確認された米軍提供施設内のヘリパッド予定地H地区で抗議行動をした。同地区では重機を使った作業などが進んだ。抗議に参加した土木技術者からは、赤土流出防止策や作業員の安全確保策などに不備があるとの指摘が上がった。

 市民らによると、地面にほぼ垂直に深さ約3メートル掘削された土の斜面に土留めがされていないという。また、作業員が移動する斜面には階段などが設けられていない。

 抗議に参加した土木技術者の市民は、赤土流出防止で設置されている柵は地面への押し込みが浅いため柵の下から赤土が流出しているとの見方を示した。その上で、安倍首相が年内完成の方針を示したことで「本来は6カ月かかる工事を無理に3カ月で終わらせるために手抜き、突貫工事になっている」と指摘した。

 「建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編)」(1993年、建設省)には「掘削の深さが1・5メートルを超える場合には、原則として土留工を施すものとする」と記されている。一方、名護労働基準監督署は「(労働安全規則に基づき)崩落の危険性がある場合は土留めが必要」と説明した。