キングス延長制す 秋田に96―83 Bリーグ


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区5位=10勝15敗)は24日、沖縄市体育館で秋田ノーザンハピネッツ(東地区6位=6勝19敗)と第1戦(今季第26戦)を行い、96―83で延長戦を制した。キングスは4連敗をストップ、ホーム戦6連敗も阻止した。

 秋田との第2戦(今季第27戦)は25日午後6時から、同体育館で行う。(観客3519人)

琉球 11勝15敗
 96―83(15―26,24―11,15―17,22―22,延長20―7)
秋田 6勝20敗

 【評】第1クオーター(Q)で15―26と出遅れたキングスは、テリーや喜多川をはじめとする攻撃が決まり始めた第2Qで39―37と逆転した。若手で新加入の渡辺を含め、山内、田代がディフェンスで好プレーを見せ、ゲームに熱を吹き込んだ。後半からは大接戦で第3Qを54―54、第4Qを76―76で終えて延長に入る。最後まで集中力が途切れなかったキングスが、ボールに執着して動き続ける勢いで秋田を上回り、96―83と突き放した。(石井恭子)

◇気持ちの入ったプレー
 伊佐勉HC(キングス)の話 気持ちの入ったプレーに満足しており、連敗でも応援してくれるお客さんにクリスマスの1勝を見せられて良かった。それでも延長の前に勝ちに持ち込めなかったのは、僕の調整不足。最も期待して出した渡辺竜之佑は、誰よりリバウンドを拾ってプロレベルで数字を出してきた。恐ろしい選手だ。第2戦も流れをしっかり読み、主導権を常に握る展開にしたい。

◇ひとつのミスが命取り
 長谷川誠HC(秋田)の話 第4Qで延長に入らずに決着がつけられた部分もあるが、コミュニケーションのミスもあったし、簡単なひとつのミスが命取りになるゲームだった。いい形の攻撃もあったが、ピックアンドロールからノーマークのシュートを落とした後の攻撃は課題。しっかりしたモチベーションと、次につなげる切り替えが必要となってくる。

◇ルーキーたちが活躍 イブに連敗の“汚名”脱出

キングス―秋田 第4Q 秋田の安藤誓哉からカットしたボールを体を張って守るキングスの渡辺竜之佑=24日、沖縄市体育館(具志堅千恵子撮影)

 第4Qを終えて76―76。互いに譲らず、ゴールを数秒おきに奪い合う接戦の末、試合は延長5分に突入する。レイショーン・テリーが、喜多川修平が、次々とネットを揺らす。出場25分で最多のリバウンド七つをもぎ取った新加入のガード渡辺竜之佑(コザ中―福岡第一高―専修大)もシュートを決め、熱戦にピリオドを打った。

 渡辺やFW田代直希といったルーキーが「チームにいいエナジーを与えてくれた」(伊佐勉ヘッドコーチ)という活気あふれるプレーを発揮。連敗の“汚名”を打ち消す白星というクリスマスプレゼントが満場のブースターに贈られた。

 ここ数試合は個人個人の気負いから後半での失速が目立ったが、喜多川は「練習通りのチームバスケができた」と勝因を語る。「人とボールが動き続ける」キングスのバスケができたことを喜びつつ、第4Qで秋田の田口成浩に許した3ポイントシュート3連発などの課題点を挙げ、「今日は今日。明日勝たないと意味はない」と第2戦に気持ちを切り替える。テリーも「経験と練習から目の前のゲームに反応するだけ」と第2戦をにらむ。(石井恭子)