フレイザー、男子1着 女子は安里6度目V NAGOハーフマラソン


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 第58回NAGOハーフマラソン(主催・同実行委員会、共催・名護市、市教育委員会、琉球新報社、沖縄陸上競技協会、NPO法人市体育協会)は22日、名護市陸上競技場を発着点に行い、ハーフ(21・0975キロ)、10キロ、3キロ、3キロ親子に2852人が参加した。ハーフ全体では、35~39歳の部のトーマス・フレイザー(うるま市)が1時間08分15秒のトップでゴールした。ハーフ一般女子は安里真梨子(豊見城市)が1時間23分11秒で4年ぶり6度目の優勝。ハーフは4キロ地点からフレイザーと一般の部の針渕隼(浦添市)の2人でレースを展開したが、中盤からフレイザーの独走状態となった。2着は針渕(一般の部1位)、3位は津波尚吾(同2位)=八重瀬町=だった。10キロ一般男子は仲村康助(宜野座村)、同高校男子は豊見山詩音(豊見城市)、同一般女子は儀保優奈(南風原町)が制した。3キロ一般男子は嶺井政寿(今帰仁村)、同女子は呉屋優梨愛(浦添市)が頂点。3キロ親子は畑知成・祐太郎親子が1位だった。2179人が出走したハーフの完走者数は2026人(92・98%)だった。

◆大きいストライドで独走/フレイザー

第58回NAGOハーフマラソン大会、1着でゴールテープを切るトーマス・フレイザー=22日、名護市陸上競技場(諸見里真利撮影)

 名護市陸上競技場に独走状態で戻ってきたトーマス・フレイザー=米国出身、うるま市在住=は、長身から伸びる大きなストライドでゴールへ駆け抜けた。妻と愛娘2人に迎えられ、「疲れたけどとても感動している。うれしい」と、柔和な笑顔を見せた。

 2006年から本格的にマラソンを始めたフレイザー。これまでに東京マラソンや福岡国際マラソン、別府大分マラソンなどのフルを2時間20分以内で走った実力者だ。本大会では仲間孝大や与那嶺恭兵ら招待選手を「速い選手だから警戒していた」という。

 レース序盤は速い展開で進んでいたが、仲間が4キロ辺りでリタイア。先頭のペースが落ちたところでフレイザーが先頭に立ち、針渕隼が続いた。

 「仕掛けてくるかもしれない」と、後方に気を配っていたが、針渕との距離が少しずつ離れた段階で勝利を確信したという。沖縄での初のハーフマラソンは「景色よりもレースに集中していた」が、沿道からの「頑張れー」の声援が印象的だったという。

 この日の記録を「ゆっくりのペースかな」と謙遜するフレイザーを、県内ランナーは「ストライドの大きさが違う。県内レースのいい刺激になる」と歓迎する。フレイザーにとって本番は3月の琵琶湖マラソン。「2時間16分台を目指している。順位は意識していないかな」と、にこやかな笑顔で語った。
(嘉陽拓也)

◆ペース意識、15キロ地点で加速/安里

ハーフマラソン一般女子を制した安里真梨子=22日、名護市陸上競技場(諸見里真利撮影)

 2006年の初出場からほぼ毎年出場している安里真梨子(らんさぽ)は1時間23分11秒と、2位に3分58秒差を付けて13年以来6度目のハーフ優勝を果たした。

 先週、全国都道府県対抗女子駅伝に出場したばかりで、多少疲労が残っていたことに加え、短い距離の練習しかできていなかった。ペース配分を意識して、自重しながらの展開に「もっと(タイムを速く)いけた」と反省点も。

 しかし前半で様子を見ながら余力を残し、15キロ地点を過ぎてからの上りでペースアップ。自己ベストには5分40秒ほど及ばなかったものの、前年よりも1分ほどタイムを縮めた。

 次の照準は来月のおきなわマラソンだ。この日のハーフ出場で「長い距離に対応していくイメージを持って走ることができた」と振り返る。次のレースに向け仕上がりは順調だ。