安慶田副知事が辞職 教員試験疑惑、「県政混乱」で引責


この記事を書いた人 志良堂 仁
辞意を伝えたことを明らかにする安慶田光男副知事 =23日午後、県庁

 安慶田光男副知事は23日、教員採用試験を巡る口利き疑惑などで県政を混乱させた責任を取るとして翁長雄志知事に辞表を提出、承認され退職した。安慶田氏は同日午後、会見し、改めて疑惑を否定した上で「辺野古新基地問題や予算編成などの重要な時期に県政運営に混乱と停滞を招き、大変申し訳ない。県民にご迷惑を掛け深くおわびしたい」と辞職理由を説明した。翁長知事は安慶田氏に先立ち臨時会見で県民に陳謝した。安慶田氏は基地問題で国との窓口を務めており、辺野古新基地建設問題に影響を及ぼすのは必至だ。

 翁長知事は後任人事を「全く考えていない」と述べたが、今後の人選を急ぐ。

 翁長知事は、安慶田氏の辞職について「辺野古新基地問題や予算編成、税制改正などの国との調整で大変尽力いただき、大変残念で胸をかきむしられる思いもあったが、本人の意思が固く承認した」と述べた。その上で任命責任には「重大に考える必要がある」と言及した。

 翁長知事らによると、21日夕に安慶田氏が弁護士を通して翁長知事に辞意を伝達。翁長知事の求めで22日午後に直接面談し、改めて辞意を確認した。翁長知事は面談で「本当にやっていないのであれば、しっかり説明した方がいいのではないか」と諭したが、安慶田氏は聞き入れなかった。

 22日投開票の宮古島市長選の結果が影響したのかとの問いには翁長知事、安慶田氏ともに否定した。

 安慶田氏は疑惑報道後、初めて正式に開いた20日の会見で続投の意向を示していた。それが一転して辞職となったことに安慶田氏は「別に事情の変化があったわけではない」と話した。

 副知事は退職により県条例に基づき、月額給与97万円の100分の42の額に在職期間月数分を乗じた退職手当が支給される。安慶田氏は在職期間が14年12月から17年1月の26カ月で1059万円となる。