元幹部「疑惑は事実」 教育庁に告発文、再調査


この記事を書いた人 志良堂 仁

 安慶田光男前副知事が、教員採用試験への口利きや沖縄県教育庁幹部人事へ介入した疑いを巡り、当時の県教育庁幹部から疑惑が事実だと訴える文書が22日に県教育庁に送付されていたことが23日、分かった。これを受け教育庁は同日、当時の幹部5人に改めて聞き取り調査した。調査を受けた元幹部の一人は同日、本紙の取材に対し「おおむねそのような事実はあったと答えた」と述べ、採用への口利きや登用依頼があったことを認めた。

 県教育庁は18、19の両日に元幹部5人に電話による聞き取り調査をし、平敷昭人県教育長は20日に全員が否定したとして「働き掛けの事実はない」と結論付けていた。文書は調査後に届いたという。元幹部の一人が事実関係を認めたことで、調査に瑕疵(かし)があった可能性がある。平敷教育長は24日に再調査について会見する予定。文書も公表するとしている。

 この元幹部は「(前回調査は)副知事室に呼ばれたかなどについて聞かれ、私にはなかったと答えた。認識の違いがあったかもしれない」と述べた。また、別の元幹部も同日、本紙の取材に「18、19日に(口利きや人事介入について)事実関係は答えたが、公にするつもりはない」と話した。前回の調査結果には言及しなかった。

 平敷教育長は23日、記者団に対し、自身は22日夕に文書を確認したと説明、送った人物は明らかにしなかった。平敷教育長は「(前回調査と)違う話が出てきたので、その内容を確認している。整理して報告したい」と述べた。

 前回調査に問題があったか問われると「それはないと思う。その時はちゃんと(事実はないと)おっしゃっていた」と説明した。