米海軍FA18、6割飛行不能 修理遅れ、部品調達待ち


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米海軍の主力戦闘機のFA18戦闘攻撃機の約3分の2に当たる62%が修理の遅れや部品の調達待ちで飛行できない状態であることが12日までに分かった。7日の米下院軍事委員会でウィリアム・モーラン副作戦部長(海軍大将)が明らかにした。国防費削減やFA18の後継機であるF35最新鋭ステルス戦闘機の配備が遅れていることなどが原因とみられる。稼働できる機数が少ないことから、機体の寿命時間を超えた運用をしていることも明らかになった。県内では、米海兵隊の岩国基地(山口県)所属のFA18戦闘攻撃機が普天間飛行場や嘉手納基地にたびたび飛来している。

 モーラン氏は海軍航空機の53%を飛ばすことができない上、「投入できる航空機の使用回数は限度まで来ている」と指摘した。

 さらに「さまざまな理由で、海軍の造船所や航空機の格納施設では修理や維持管理作業を規定通りの時間内に終わらせることに苦労している」と強調。FA18については「かなり古くなっている。これらのジェット一つを修理するのに約2倍の工程数がかかる」とし、任務に使用できない機数が本来あるべき水準の倍になっているとも述べた。米軍事専門紙ディフェンス・ニュースが伝えた同型機の62%が駐機を強いられているとの記事を認めた。

 モーラン氏はFA18の機体寿命は約6千飛行時間を想定しているが、稼働させる機材が少なくなっている現状を受け、現在は8千~9千時間まで延びていると説明した。