ネイル、シャンプー、浴衣…沖縄で「日本らしさ」楽しむ 外国人観光客消費額も増加


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浴衣姿で那覇市内の観光スポットを巡る(ビック沖縄提供)

 航空運賃の値下がりにより、外国人客の観光需要も多元化してきた。沖縄観光での体験を求めるのは若い男女から家族客まで幅広く、消費単価の増加にもつながっている。

 2016年夏、誘客のために中国語ホームページを開設した那覇市前島の美容室「Campagne(カンパーニュ)」は、1日3組の外国人客を対象に一部のコースメニューを半額にしている。コースメニューは最安値が1万5千円から。シャンプーやカット、発泡性の水「炭酸泉」による頭皮洗浄、トリートメントなどが含まれる。

 桜井広海ディレクターは「台湾人の髪質は沖縄の人と似ている。今後台湾に独自の技術を広めたいので、台湾人客の誘致を図った」と説明。さらに「アジア人客は日本の技術を求めてくる。現在まだ月数人程度の利用にとどまっているが、今後より多くの海外客の来店を期待したい」と述べた。

 利用者の8割が県内に在住する外国人というネイルサロン「ラブネイルサロン」(北谷町)も16年から韓国人客などの利用が増加してきた。月に10人ほどの外国人観光客が訪れる。人気はデザイン料込みで平均6千~8千円などの体験だ。店舗担当者は「年明けからアジア人客が一気に増えた。特に春節期間が多かった。店舗では英語対応できるので、どの国の人でも歓迎だ」と話した。

 「日本らしさ」を体験してもらおうと、ウエディング会社のビック沖縄(那覇市)は16年11月から沖縄のまちを散歩する外国人客向けに着物や浴衣体験レンタルを始めた。これまで台湾や中国、韓国人客を中心に約20人が利用した。中国語や英語、韓国語など4カ国語で発信している。

 ビック沖縄の屋部司常務は「空路客と比べ滞在時間が短いクルーズ客が増加しており、より沖縄を楽しんでもらおうと始めた」と説明し「今後着物の数を増やし、1日10人ぐらいの利用を目指したい」と述べた。
(呉俐君)