沖縄県 無資格ガイド調査へ 通訳案内士、対策求める


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無資格ガイドの問題を指摘する(左から)金成局さん、金城節さん、西田金市さん=10日、県庁

 訪沖外国人観光客が急増する中、通訳案内士など外国語で旅行案内をするのに必要な資格を持っていない「無資格ガイド」について県が実態調査する方針であることが10日、分かった。通訳案内士からは無資格ガイドが横行し観光業への影響を懸念する声が上がっており、県は調査方法も含めて検討する。

 有償で外国語での観光案内を行うには通訳案内士、地域限定通訳案内士、特例通訳案内士の資格が必要で、違反すると通訳案内士法により50万円以下の罰金が定められているが、有資格者らによると取り締まりは行われていないという。

 県観光政策課は「次年度といわず、できるだけ早期に調査したい」と話し、実態確認を急ぐ。

 一方、県内の通訳案内士有志3人は10日、県庁で会見し、無資格ガイドの取り締まりなどを求めた。

 会見したのは県内で通訳案内士をしている金城節さん(78)、西田金市さん(62)、金成局さん(57)の3人。

 金城さんによると1月に那覇市の若狭バースに大型クルーズ船が相次いで入港した際、下船した訪沖観光客を迎えたのは160人の県外から来たとみられる無資格ガイドだった。金城さんは「無資格者は観光客を買い物に連れ回すのが仕事。沖縄観光の教育を受けておらず、観光客が伝統や文化に触れることができなくなる」と強調。金さんは「無資格者が安価にガイドをすれば、せっかく資格をとっても正当な対価を受け取れなくなり、ガイドの質の低下につながる」と懸念した。

 3人は賛同者の拡大を求めると共に、県議会に対しても陳情書を提出した。