キングス 大一番完勝 Bリーグ第54戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングス(西地区3位=25勝28敗)は22日、大阪府の府民共済SUPERアリーナで大阪エヴェッサ(同2位=26勝27敗)と今季第54戦を行い、84―69の大差で貴重な勝利を手にした。キングスは終始冷静な試合運びで大阪の隙を突き、圧倒した。両チームともチャンピオンシップ出場を懸けており、キングスが大一番を制した。キングスと大阪は勝率で並んだものの、直接対決はキングスの1勝4敗のため、地区の順位は対戦前と変わっていない。第1Qでは外国人選手1人の大阪に対し、キングスは2人を投入すると、オンザコートの有利を生かし、ゴール下を高い双璧で守り勝った。大阪の早打ちとミスを誘い16点差をつけた。第2Qは逆にキングスの外国人選手が1人となったが、慌てることなくしのぎ47―36と有利に後半へ進めた。その後もキングスは全員が足を使って大阪を振り回した。歯車がかみ合わない大阪の守備に対して、冷静な連係プレーやドライブで崩しつつ、攻守で着実にリバウンドを奪い、主導権を握り続けた。大阪との第2戦は23日午後2時に同アリーナで戦う。(観衆3296人)

キングス 26勝28敗
 84―69(28―12,19―24,19―15,18―18)
大阪 26勝28敗

◇ゲームの入りでペースつかめた
 伊佐勉HC(キングス)の話 ゲームの入りで自分たちのペースをつかめたと思う。そこが最後までリードを保ったまま展開できたのかなと思う。ただ、後半は大阪に押される場面がいくつもあったので、守りに入らず攻め続けるバスケットを展開したい。

◇勝因は采配と運動量 ミス出さず、戦意奪う

 今季全敗していた大阪を終始圧倒した。勝因は伊佐勉HCの的確な采配と、選手らがボールと足を常に動かし続け、冷静に役割を全うし続けたことだ。試合後のインタビューで伊佐HCは「やるべきことができた。シュートも入り、流れを握れたのは大きい」と安堵(あんど)の表情を見せたが「(明日も)気を引き締めるだけだ」と目に力を込めた。

 第1Qで大阪が外国人選手1人に対し、キングスは2人を投入したことが試合を優位に進めるきっかけとなった。ゴール下でラモント・ハミルトンやアンソニー・マクヘンリーらが双璧をなしリバウンドを奪うと、岸本隆一を中心に津山尚大だけでなく、復調した喜多川修平が3Pシューターとして本領を発揮。津山のスティールに素早く反応したレイショーン・テリーが20点目のダンクを決めるなど、前半から圧倒し続けた。

 大阪に流れが傾きかける場面では時間を使った内外のパス回しで大阪の守備をかき乱し、シュートが外れても複数でオフェンスリバウンドを奪い続けた。苦しくなった大阪の選手が熱くなり攻守で連係が乱れる一方、キングスはミスから自滅することなく選手全員が視野の広いプレーで大阪の戦意を奪っていった。

 けがなどで滋賀戦を欠場、三河戦は振るわなかったが、大一番で本調子に仕上げてきた喜多川は「チームでやるべきことを徹底し、良い流れのまま試合を運ぶことが勝利につながった」と自信を強めた様子。マクヘンリーも「今日の勝利は非常に大きい。明日は今日以上に勝利に貪欲になりたい」と力強く語った。