食で平和考える場に 県平和祈念資料館に仏料理店


この記事を書いた人 志良堂 仁
平和祈念公園が一望できる明るい店内で平和を考えながら食事ができる=23日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館2階喫茶室レストラン「ラ・メール・キミシマ」

 【糸満】糸満市摩文仁の県平和祈念資料館2階喫茶室にフレンチレストラン「ラ・メール・キミシマ」がオープンすることになり、関係者を招いたレセプションが23日、同レストランで開かれた。運営する合同会社喜企画の上谷喜美夫会長兼オーナーシェフ(48)は「コース料理の中にすいとんなど戦時中の食事を取り入れるなど、食で平和を考える場にしたい」と抱負を語った。28日にオープンする。

 県平和祈念財団によると、資料館内の喫茶室は2000年の同館開館時から設置されている。しかし、沖縄戦終焉(しゅうえん)の地で平和を発信する場でもあることから、運営業者が決まらずに一度も使用されたことはないという。
 「キミシマ」の上谷オーナーシェフは糸満市出身で、浦添市や豊見城市にフランス料理店を2店、嘉手納町にやんばる地鶏の炭焼店を構える。困窮世帯の子どもたちの支援なども積極的に行っている。
 オープンにあたり、地元のおばあちゃんたちから戦前、戦中の食事について学ぶ勉強会を開いている。「キミシマ」のランチコースにはすいとんなど戦時中のメニューを取り入れていく考えだ。
 店内は大きな窓から明るい日差しが差し込み、平和祈念公園が一望できる。
 「ラ・メール・キミシマ」は午前11時から午後5時(ラストオーダー午後4時)。月曜定休。