遭難9313人、冥福祈る 明和の大津波慰霊祭


社会
この記事を書いた人 琉球新報社
明和大津波の犠牲者の冥福を祈るため献花する参列者ら=24日、石垣市宮良

 【石垣】1771年に発生した明和の大津波で被害に遭った犠牲者を追悼する慰霊祭が24日、石垣市宮良の宮良タフナー原の明和大津波遭難者慰霊之塔で催され、遭難死亡者9313人の冥福を祈った。約200人が参列し、自然災害への備えの重要性を確認した。

 慰霊祭では市立大浜小学校と同中学校の児童・生徒が防災意識を高める必要性を訴える作文を朗読した。

 大浜中3年の慶田花涼馬さんは、災害時や復興時には地域の支え合いが必要だとして「私たちが普段からの絆づくりを大事にし、交流を深めながら防災を心掛けていかないといけない」と訴えた。

 市老人詩吟クラブが明和の大津波研究者・牧野清氏の詩を詩吟で奉納したほか、参列者は慰霊之塔に献花した。

 中山義隆市長は「いざという時の身の安全を守るのは自分自身だ。そのことを心に留め、災害時の備えを今一度確認してほしい」と参加者に呼び掛けた。

 石垣市は毎年、明和大津波が発生した4月24日に合わせて慰霊祭を開催している。