ハーリーの歴史詳しく 会館、展示をリニューアル


この記事を書いた人 琉球新報社
リニューアルした大型年表を指さす那覇爬龍船振興会の玉城徹夫専務理事=那覇市泊の那覇ハーリー会館

 那覇市泊にある「那覇ハーリー会館」内の展示コーナーが今年からリニューアルした。那覇ハーリーの歴史を伝える大型年表や、戦前や戦後のハーリーの様子を伝える写真を展示している。会館を管理する那覇爬龍船振興会の玉城徹夫専務理事は「ハーリーの歴史を知ってほしい」と話した。那覇ハーリーまつりは3日から那覇港新港ふ頭で開かれる。

 那覇ハーリー会館は、2014年に泊港北側に新設。爬龍船6隻が入る大型の倉庫と那覇爬龍船振興会の事務所がある。展示コーナーとなっている1階ロビーには、久米、泊、那覇の本バーリーで使用する衣装などがこれまで展示されていたが、「歴史を知ってほしい」との思いから、今年から大型年表や過去のハーリーなどの写真を展示している。

 外国人観光客に対応するため、説明書きの一部は中国、台湾、英語、韓国の4カ国語で説明している。

 那覇ハーリーの歴史は古く、1392~1405年ごろに琉球に伝来したといわれている。ハーリーの行事は琉球王国の国家安泰のために行われていた。しかし、1879年の琉球処分以降爬龍船の行事が廃れてしまったが、その後、伝統が途絶えることを懸念した泊青年会が、地上で爬龍船に乗り、地域を回る「地ハーリー」を開催し、継承に努めていた。1975年に約60年ぶりに海上での古式ハーリーが復活。今年で43年を迎える。

 第2回那覇ハーリーまつりから参加している振興会の玉城専務理事は「元会長の吉濱照訓さんの力で復活できた」と振り返る。リニューアルした大型年表を背に「ハーリーを知り、競争も楽しんでほしい」と呼び掛けた。

 那覇ハーリー会館の展示コーナーの見学は無料。運営する那覇爬龍船振興会の担当者が不在の場合もあるので、見学の際は事前に連絡が必要。問い合わせは同会(電話)098(861)1494。