北朝鮮拉致で「沖縄県に窓口を」 家族会・金武川氏ら要請


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
北朝鮮による拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」に関して、県に専門の窓口設置が必要だと訴える金武川政司参考人(左)=19日午後、県議会

 沖縄県議会文教厚生委員会(狩俣信子委員長)は19日、「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない失踪者の早期救出と真相解明を求める家族会」の金武川政司氏(58)、支援者の久志勝則氏(59)を参考人招致した。同会の陳情を受けた審議の一環。金武川氏は県に求める支援対応について「特定失踪者に関する事務局、窓口をつくってほしい」と述べた。金城泰邦氏(公明)、照屋守之氏(沖縄・自民)に答えた。

 金武川氏の兄の栄輝さんは約40年前、宮古島から漁に出て消息を絶った。家族は死亡と推定して七回忌も行ったが、後に新聞社の取材を契機に北朝鮮に拉致された可能性があると知った。海上保安庁や警察は「海難事故に遭った可能性は低い」との認識を示したという。栄輝さんは現在、拉致の可能性を排除できない「特定失踪者」とされている。

 金武川氏は市や県の対応について「正式な担当がなく、個人で動いて対応をお願いしている。相談は地域の議員を通じてつないでもらっている」と説明し、窓口設置を訴えた。亀浜玲子氏(社民・社大・結)に答えた。