県空港課に入った連絡によると、29日午後5時前、南ぬ島石垣空港に米軍普天間飛行場所属の米海兵隊垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ2機が相次いで着陸した。
県によると、29日午後4時50分ごろ、石垣空港事務所から「オスプレイは石垣島周辺で訓練を行っていたが、機体の調子が悪くなり、石垣空港に着陸するかもしれない」という連絡があった。
石垣空港事務所によると、午後4時50分ごろ、米軍から「トラブルが発生し緊急着陸する」という連絡があったという。オスプレイ2機は午後4時57分と午後4時59分に着陸した。
原因の詳細は明らかになっていないが、沖縄防衛局には米軍から「警告灯が点灯したため、通常の手順に従い予防着陸をした」という報告があったという。
県によると、県職員が現場で確認したところによると、故障した1機の右エンジンからオイルが漏れているように見えるという報告があったという。
この影響で石垣空港の滑走路は29日午後5時11分から47分まで30分余りにわたって閉鎖された。このため、羽田空港発石垣行きの日本トランスオーシャン航空(JTA)の1便が宮古空港に目的地変更(ダイバート)した。同便は宮古空港で給油後、1時間半遅れで石垣空港に着陸した。
翁長雄志沖縄県知事は県議会中に報告を受け、議会終了後記者団に「詳細がまだわからないが、普通に考えれば、けしからん。今から詳細を確認したい」と語った。
さらに29日夕方、翁長知事は会見し、「一つ一つ繰り返されることがほんとうに憤慨に堪えない。こればっかりは絶対に撤回してもらわないといけない」と語気を強めた。また「100回、200回ではきかないのではないかと思うくらい、原因究明とその報告などとを申し入れるがこのような状況が続いている。そういう意味からすると、大変残念で憤りと、もう本当にどうしようかな、という思いを持ちつつも、これからまたしっかり強く抗議なり、要請なりをしていきたいと思っている」と週明けにも上京による抗議を含めて検討する意向を示した。
一方、宜野湾市の佐喜真淳市長は「我々は1日も早い普天間飛行場の返還を望んでいる。事故や緊急着陸が起こったことは、原因究明はもとより絶対に起こしてはならないことなので、市民に不安を与えるようなことは絶対にやめてほしい」と話した。【琉球新報電子版】