国、馬毛島以外を模索 米軍艦載機の陸上空母離着陸訓練 オスプレイ訓練移転頓挫も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】鹿児島県西之表市・馬毛島への米軍艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)移転計画を巡り、政府が別の候補地を検討していることが12日、分かった。政府関係者が明らかにした。馬毛島は普天間所属オスプレイの訓練移転先として政府が検討したが困難視されていた。FCLPの計画が変更になれば、オスプレイの訓練移転も頓挫する可能性もある。

 米側はFCLPの移転計画を早期に進めるよう日本側に強く求めており、防衛省と島の大半を所有する会社との用地買収交渉が難航する中で別候補地の検討に入った。九州北部が候補に挙がっているという。

 FCLPは陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて、離着陸を繰り返す訓練。1991年から硫黄島(東京都)で行われているが、米軍再編で空母艦載機が厚木基地(神奈川県)から岩国基地(山口県)に移駐することから、2011年に日米両政府は馬毛島を移転候補地に決めた。

 防衛省と地権者は昨年11月、売買契約に向けて協議を始めることで合意。防衛省は数十億円の買収金額を提示したが、地権者が数倍の金額を求めて、契約はまとまっていない。政府関係者によると米側はFCLPの移転を強く求めており、代替地の模索に入った。

 ただ、代替地検討については否定的な意見もあり、防衛省も馬毛島移転計画は進める方針。小野寺五典防衛相は12日の会見で馬毛島への移転方針を進める考えを示した。