ユネスコへの推薦を取り下げ 奄美沖縄の世界自然遺産 今夏登録断念し20年再挑戦へ


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「やんばる」と呼ばれる沖縄本島北部の森林

 【東京】政府は1日、世界自然遺産候補の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦を一度取り下げることを閣議了解した。今後は米軍北部訓練場跡地を「やんばる国立公園」に編入した上で推薦地に追加し、2019年2月までに推薦書を再提出し、20年夏の登録を目指す。

 推薦地は亜熱帯照葉樹林にヤンバルクイナやノグチゲラなど多くの固有種が生息し、政府が昨年2月に推薦書を提出していた。だが、ユネスコの諮問機関、国際自然保護連合(IUCN)は豊かな自然が広がる米軍北部訓練場が推薦地に含まれていないことなどを疑問視し、登録延期を勧告した。

 政府は現状のまま登録審査を受けるよりも、一度取り下げた上で、IUCNに助言を求めるなどして登録に向けて推薦書の再提出の準備を進めることが、早期に登録が実現できると判断した。地元自治体などの了承を得て方針を決定した。

 中川雅治環境相は会見で「IUCNの評価は登録に向けた道筋が示されており、確実な登録を実現するためには早期に推薦書を再提出し、再度審査を受けることが最適な方法であり、早道だと判断した」と説明した。【琉球新報電子版】