米軍つり下げ訓練、近くに船 ヘリ何度も「怖かった」 沖縄・読谷


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 【読谷】17日に沖縄県読谷村都屋の沖合で米海軍所属のヘリ2機がつり下げ訓練を行った際に、訓練場所の近くを船3隻が航行していたことが20日、分かった。同日、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、読谷村の田島利夫副村長と共に訓練に抗議した村漁業協同組合の金城肇組合長が明らかにした。船の乗組員らによると、ヘリが低空で飛んだり、頭上を何度も通過したりしたという。「あすか丸」の比嘉亜寿花船長は「レーダーに周囲の船が写らなくなり、怖かった」と当時を振り返った。

 金城組合長によると、訓練は共同漁業権が設定されている漁場内で行われ、米軍の訓練海域ではないとした。

 訓練時、あすか丸は客を乗せて沖釣りをしていた。比嘉さんは「お客さんの命を預かっているので、何かあったら怖い。もうやらないでほしい」と強く訴えた。

 防衛局の伊藤晋哉企画部長は米軍から「安全を確認して訓練をした。地元に不安を与えたとしたら、その点はおわびしたい」との説明があったことを明らかにした。だが、金城組合長は「全然確認しないでやっている」と反論した。金城組合長は昨年10月にも米軍が同海域でつり下げ訓練を実施していることから、防衛局に対して訓練を繰り返さないよう強く米軍に抗議するよう求めた。訓練があった場所の近くにはジンベエザメのいけすや定置網が設置されている。

 田島副村長も「訓練が繰り返されると、日本側の交渉力が弱いと感じざるを得ない。二度と起きないように強く要請してほしい」と訴えた。

 村は提供訓練区域外での訓練を一切廃止することや、事実を確認して結果を文書で早急に報告することなどを求めた。

 米軍は17日、読谷村沖で低空飛行のまま米兵をつり下げる訓練を行った。村への事前の連絡はなかった。