JAおきなわ、海外販売好調 畜産物などクルーズ船内で人気


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クルーズ船内の売店で、加工品を販売する特設コーナー(JAおきなわ提供)

 JAおきなわ(大城勉理事長)は今年4月から、農畜産物の海外販売を本格化している。初年度は販売目標を1億円にしているが、10月末時点で5520万円を売り上げ、目標を上回る勢いだ。特にクルーズ船内で消費される畜産物が好調で、おきなわ和牛は約9トン、あぐー豚は約1トンを出荷した。船内の売店にはクルーズ会社が特設コーナーを作り、シークヮーサーのゼリーや黒糖など加工品も土産物として人気を集めている。

 販売実績のうち、畜産物が4438万円を占め、飲料や黒糖などの加工品は681万円、青果物は401万円だった。

 JAは今年4月と8月にはクルーズ船会社のゲンティン香港と提携した。沖縄に毎週寄港する同社のクルーズ船4隻へ出荷を強化し、輸出の実績を積み上げている。寄港した船に出荷するため輸送費は抑えられ、県内の食肉センターで処理した牛肉も出荷できる利点がある。今後は冬春期の野菜も積極的に出荷し、さらに販売を拡大する方針だ。一方、消費する肉の部位の偏りや、あぐー豚の脂身が好まれないなどの課題もある。JAの普天間朝重専務は「調理の実演を見せ、栄養やうま味を伝えていくのが今後の課題だ」と指摘する。

 那覇市壺川のJA会館で19日に報告した輸出戦略室の浜門由昇室長は「全国でもクルーズに農産物を出荷する事例は少ない。沖縄からクルーズへの窓口が広がればいい」と販路拡大に自信を見せた。