辺野古移設に関する安倍首相発言全文


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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に伴う埋め立てに関し、安倍晋三首相は6日に放送されたNHKのテレビ番組「日曜討論」で事実を誤認して発言した。安倍首相は「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移植している」と述べたが、現在土砂が投入されている辺野古側の海域「埋め立て区域2―1」からサンゴは移植していない。

 埋め立て海域全体では約7万4千群体の移植が必要だが、7日までに移植が終わっているのは別海域のオキナワハマサンゴ9群体のみにとどまっている。


 

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に関する安倍晋三首相の発言は次の通り。

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 まず誤解を解かなければいけないが、日本国民の皆さんも全く新しく辺野古に基地を造ることを進めていると思っている方が多いが、市街地の真ん中にある世界でも危険な基地と言われている普天間を返還するためにどうしたらいいかということをずっと考えてきて、その中で普天間の返還を行うために、代替の基地である辺野古に基地を造りますよ、しかしその代わり世界で最も危険と言われている普天間基地は返還されるということであり、この計画を今進めている。

 民主党政権時代にも、最低でも県外という宣言をしたが結局どこにも持っていくことができずに辺野古に移設すると決まった。今その計画にのっとって作業を進めているが、移設するに当たって普天間の機能のうち、三つあったが、空中給油機は15機全て岩国に移設された。18年越しのことを行うことができた。緊急時の受け入れ機能は九州の自衛隊基地に移転が決定された。オスプレイも訓練は本土移転を推進し、整備は木更津で実施している。このように機能を相当縮小して普天間に(発言通り)持っていくということ、そのことによって今は市街地の真ん中にあるから防音の措置をしなければいけない戸数が1万数千あるが、それが辺野古に移ればゼロになっていくこともご理解いただきたい。

 土砂を投入していくに当たって、あそこのサンゴについては移している。また絶滅危惧種が砂浜に存在していたが、これは砂をさらってしっかりと別の浜に移していくという環境の負担を抑える努力もしながら行っている。もちろん沖縄の皆さんの気持ちに寄り添っていくことも大切ですし、理解を得るようさらに努力をしていきたい。