【ブラジル】本格対話で新たな動き 世界若者ウチナーンチュ大会


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ネットワーク活用などについて話し合う世界各国の参加者ら=7月26日午後8時ごろ、ブラジル沖縄県人会館

 世界7カ国約150人が参加した「第1回世界若者ウチナーンチュ大会ブラジル2012」が7月25日から5日間の日程を終え、閉幕した。

10、30代を中心とした世界の若手ウチナー世代がブラジル・サンパウロ市に集結。「県系社会で沖縄文化を引き継いでいくためには」「世界のウチナーンチュが情報を共有できるデータベースを作ろう」などと時には数時間に及ぶ議論を繰り広げ、参加者一人一人の熱い思いが大会を盛り上げた。(安原亜紀子通信員)

 「貴重な人脈を築くことができた」と多くの参加者が振り返ったように、次世代の沖縄を担う世界各国の若手が一堂に会し、顔を突き合わせて本格的に対話をしたことはこれまで見られなかった全く新しいムーブメント。今大会は主にネットワークの活用や文化継承が議論の中心となったが、米軍基地問題に高い関心を示す若者も多く続く大会で取り組んでもいいテーマの一つとなってくるだろう。
 私も沖縄で生まれ育ったウチナーンチュ。高校を卒業してからは県外で暮らしてきたが、大会で出会った海外県系人のように、離れていても沖縄を思う気持ちは変わらない。35歳となった今、私もいわゆる若手の一人として、同世代のウチナーンチュたちと沖縄の将来の姿やリーダー像などについて語ることも自然と多くなってきた。20年近くたっても、米軍基地をめぐる状況などが沖縄に住んでいた当時から変化していないことに焦りも感じている。
 2015年の「第6回世界ウチナーンチュ大会」まで毎年開催される若者大会を通して生まれるグローバルなネットワークとエネルギーが、今後の沖縄にどのように生かされ、現状をどう変えていけるのか期待したい。取材という形で参加させていただいたが、各国の頼もしい若手ウチナーリーダーたちの存在を知ることができたのは、私自身、大きな励みとなった。

英文へ→Worldwide Youth Uchinanchu Festival in Brazil leads to new movement