グアム移転費復活計上 米両院軍事委が合意


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 【米ワシントン18日=松堂秀樹本紙特派員】米上下両院の軍事委員会は18日、計画の不透明さを指摘して削除していた在沖海兵隊のグアム移転費の計上を一転して2013会計年度(12年10月~13年9月)国防権限法案で計上することで合意した。

 米軍普天間飛行場については「海軍は補修と保全の詳細な計画を提出しなければならない」と言及し、長期的な固定化の流れにくぎを刺した。
 米議会は昨年、普天間移設が進んでいないことやグアム移転計画の不透明さを指摘して移転費を全額削減しており、予算が承認されるのは2年ぶり。復活計上が認めれたのはアンダーセン基地の整備関連費2600万ドル。凍結されていた日本政府支出分についても調査設計費のみ執行が認められた。
 国防権限法案は近く上下両院の本会議で可決され、オバマ大統領の署名で成立する。
 日米両政府は今年4月にそれまで一体としてきた在沖海兵隊のグアム移転と普天間飛行場移設計画の切り離しに合意。そのため、今回の国防権限法案では普天間移設問題には言及していないが、琉球新報の取材に応じた上院軍事委員会筆頭理事のマケイン上院議員(共和)は「計画の妥当性や沖縄の状況など全体を勘案した上であらためて検討する必要がある」と述べ、引き続き国防総省に対して計画の再検証を求める考えを示した。
 在沖海兵隊のグアム移転をめぐっては、議会が計画のずさんさを指摘して関連予算を削除していたが、オバマ政権は第三者による調査報告書を提出して計画を具体的に示したほか、グアムの軍事拠点化がアジア太平洋地域重視の戦略に不可欠だと議会側に説明。前会計年度比で8割減の予算要求で理解を求め、議会側の理解を取り付けた。