ウミガメの展示用販売 漁業者は県に登録を


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 展示などを目的にウミガメを水族館などレジャー施設に販売する県内漁業者や漁業協同組合に対し、県水産課が動物取扱業の登録をするよう呼び掛けている。県知事への登録は動物管理愛護法(動愛法)により義務付けられており、違反すれば50万円以下の罰金もあるが、周知が進んでいないのが現状だという。

 ウミガメを食べる文化がある沖縄では、食を目的とした捕獲は沖縄海区漁業調整委員会の承認が必要になり、漁獲制限もある。一方、近年増加している展示目的販売の捕獲は、2006年の動愛法改正以降、登録と同委員会の承認の両方が必要になった。
 水産業を営む漁業者らが展示用として販売することを目的に捕獲する場合、レジャー施設からの依頼が多く、専属ではないため周知が進んでいなかったという。
 登録するには、常勤職員で専属の「動物取扱責任者」と観察用の「飼養施設」が必要になる。動愛法では悪質な業者に対して登録や更新の拒否、業務停止の命令措置も設けている。
 責任者は(1)ペットショップなどで半年以上の実務経験(2)大学の水産学科卒業(3)獣医師や愛玩動物飼養管理士など該当資格の有資格者―のいずれかに該当する者。未登録で売買した場合30万円以下、餌を与えないなど衰弱、虐待した場合は50万円以下の罰金がある。
 県水産課によると、県内漁業者と漁協の12年度販売実績(報告済み)は、子ガメ10匹を含む17匹。同課の担当者は「沖縄は国内でも生息種が多く、研究も進んでいる地域。違反があれば観光などへの影響も懸念される。適正な販売体制が必要」と説明した。(長嶺真輝)