名護市に200キロシャコ貝寄贈 元琉大技官・中村さん


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
200キロを超えるシャコ貝を寄贈した中村英雄さん(左)と仲介した神山正樹名護市議=8月31日、名護博物館

 【名護】元琉大技官として県内各地の潜水調査に関わった中村英雄さん(84)=本部町=が8月31日、久高島沖で採取した200キロを超えるシャコ貝や大浦湾で採取したミズガメカイメンをはじめ、漁具など12点を名護博物館(島福善弘館長)に寄贈した。

沖縄戦後の1947年ごろ、辺野古で漁をした中村さんは「辺野古、大浦湾は私にとって『命の庭』だ。埋め立ての話もあるが、東海岸の海の豊かさを名護の人に知ってほしい」と話している。
 無脊椎動物のミズガメカイメンはつぼ状になっており、内側のひだで海水をこして栄養を取る。幅45センチ、高さ35センチある。シャコ貝は幅が114センチあり、大人4人で持ち上げるほどだという。いずれも1980年代の潜水調査中に見つけた。追い込み漁に使う重りや潮の干満時刻が一目で分かる潮見表などもある。
 沖縄戦による艦砲射撃で本部周辺の海に魚がいなくなった47年ごろ、中村さんは仲間とサバニを担いで山を越え、名護市辺野古や東村で漁をした。
 中村さんは「魚と米を交換し、辺野古の人にも貴重なタンパク源として喜ばれた。基地を造るために辺野古の海を埋める話もあるが、元気なうちに私たちが助けられた海への感謝を表したかった。辺野古だけでなく東海岸の海は本当に豊かだ。名護の人にぜひ見てほしい」と語った。シャコ貝は博物館の玄関脇に展示され、常時見られる。
英文へ→Former University of the Ryukyus engineering official contributes 200 kilogram giant clam to Nago City