八重山教科書問題 県教委、結論出さず協議継続


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定例会で是正要求について協議する県教育委員会=23日、県教育庁

 八重山教科書問題で下村博文文部科学相から是正要求を指示されたことを受け、県教育委員会は23日、県教育庁で10月定例会を開いた。県教委は現段階では結論を出さず、協議を継続することを決めた。

今後の会合の開催日程は未定。新垣和歌子県教育委員長は「法解釈が難しいので、専門家の意見を取り入れながら慎重に議論したい」と述べた。
 県教委は定例会開催前に2度の勉強会を開き、法解釈やこれまでの経緯を確認した。諸見里明県教育長は「なるべく早く調整したい」としている。
 県は是正要求に対して従う義務を負うが、従わなくても罰則規定はない。国の指示内容に不服がある場合、30日以内に「国地方係争処理委員会」に審査を申し立てることができる。
 現在、八重山教科書採択地区内では石垣市、与那国町両教委が育鵬社版を採択する一方、竹富町教委は地方教育行政法に基づき東京書籍版を採択している。
 下村文科相は18日、同一地区で同一教科書を採択するよう定める無償措置法に竹富町教委が違反しているとして、県教委に対し、竹富町教委に是正要求するよう指示した。