同窓会、41年の歴史に幕 移民先・比ダバオ「カリナン小学校」


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最後の記念写真を撮るカリナン小学校の同窓生ら=北谷町の居酒屋「琉・香・創・食 真」

 【中部】沖縄から多くの移民が渡ったフィリピン南部のミンダナオ島ダバオ地方に開校し、戦争で廃校になった日本人学校「カリナン小学校」の同窓会が22日、41年の歴史に終止符を打った。

同窓生の高齢化で年々参加者が減り、会運営も厳しくなったことから解散を決めた。北谷町で開かれた最後の同窓会には2期生から12期生まで24人が本島全域から集い、昔話に花を咲かせながら会がなくなるのを惜しんだ。写真に残る同級生の姿を懐かしんだ。
 ダバオ地方は1900年代初めにマニラ麻の栽培が盛んになり、沖縄からも多くの移民がプランテーション労働に渡った。人口増加を受けて34年に開校したカリナン校は、太平洋戦争が激しくなると兵舎になり、45年に廃校となった。
 在校生は戦前や戦中に日本や沖縄に帰ったり、捕虜になって戦後帰国したりしたという。
 同窓会は41年前、恩師の還暦祝いをきっかけに始まった。多い時で200人以上が集まり、本土からの参加もあった。ダバオ訪問もした。
 4期生の島袋雅夫会長(84)=北谷町=は「戦争でわれわれが学んだ学校がなくなってしまい後輩が育たない同窓会だ。生き延びた者同士、健康を証明し合うために集まったが、いつかは終わりを告げないといけない」と話し「解散を提案する。離れ離れになっても健康でいて、幸せを追求しよう」と呼び掛けた。
 眞栄平敏子さん(78)=宜野湾市=は「最近5年くらいは欠かさず参加していた。これで終わりと思うとさみしい。あと10年は頑張れるのに」と惜しんだ。
英文へ→Last alumni reunion of Japanese elementary school in the Philippines