衆院通過、成立へ 教科書無償措置法改正案


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】複数の市町村で構成する教科書共同採択地区内で、教科書採択に係る協議の手続きを明確化した教科書無償措置法改正案は27日、衆院本会議で自民、公明両党など賛成多数で可決され、参院に送付された。

民主、共産、結い、生活、社民の5党は反対した。改正案は八重山教科書問題をめぐり、2015年度の教科書採択で竹富町教育委員会が自主判断で教科書を選定できないよう法的な縛りをかける狙いがあるとみられる。政府は今国会中の法案成立を目指す。
 竹富町は、教科書の採択権限が教育委員会にあるとした地方教育行政法を根拠に教科書を自主採択している。今回の教科書無償措置法改正案は、(1)採択地区内の各市町村による協議会の設置(2)教育委員会は協議の結果に基づき同一の教科書を採択―を義務付けた。協議会の組織や運営については政令で定めるとした。
 ただ、26日の衆院文部科学委員会で、民主政権下の2011年に閣議決定された「自ら教科書を購入し、児童生徒に無償で給付することは無償措置法によっても禁止されるものでない」とした政府答弁書の効力について、内閣法制局は「その後の内閣にも及ぶのが従来からの取り扱いだ」と自民党政権下でも継続していると答弁している。下村博文文部科学相も同日の文科委で、竹富町が自ら教科書を購入することについて無償措置法で「禁止されてはいない」との認識を示した。