辺野古環境監視委が初会合 公開も報告もせず


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 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の埋め立て工事で、環境保全策を検討する環境監視委員会が設置され、初会合が11日、那覇市内で開催された。
 会合は非公開で、委員会の事務局を務める沖縄防衛局によると、今後も公開の予定はない。同局の高木健司調達部長は「できるだけ早く議事録を公開する」と述べるにとどめた。

 委員会は、仲井真弘多知事が埋め立て承認の際に「留意事項」として政府に求めたことを受けて設置されたが、高木部長は「会合ごとに県に内容を報告することは考えていない」と述べた。
 委員会は12人の有識者から成り、中村由行横浜国立大大学院教授(土木工学)が委員長に選ばれた。会合で委員からは「埋め立て土砂の調達先、運搬方法、外来生物の移入について十分確認すべきだ」「水中での土砂の濁り、堆積状況の監視が重要」「サンゴの移植技術は100%保証されたものではない」などの意見が出されたという。
 またジュゴンについて、「生息は3頭しか確認されていないことを前提に、工事の影響が及ばないように監視すべきだ」との意見があったという。
 今後、委員会の指導、助言に基づき環境調査の方法や保全策を確定するが、開催期間や次回期日は未定。
 委員会をめぐっては、県環境影響評価審査会の宮城邦治会長が2月、県議会百条委で「(委員会で)果たして十分に環境保全対策ができるかどうか懸念を持っている」と述べている。