ANAカーゴ始動 那覇空港ハブ事業拡大へ


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ANAカーゴの岡田晃社長(左から2人目)ら関係者=11日、那覇市天久の琉球新報社

 ANAホールディングスは、那覇空港を中継拠点(ハブ)とした国際航空貨物事業などの拡大に向け、貨物事業会社「ANA Cargo(カーゴ)」(東京、岡田晃社長)を設立し、1日から営業をスタートさせた。

運用5年目を迎える沖縄貨物ハブ事業は、今年1月に青島線、3月に広州線に就航し、5月には新たにシンガポール線を開設し、沖縄からの貨物便就航都市は海外8地点、国内4地点の計12地点となる。11日、琉球新報社を訪れた岡田社長は「成長するアジアの懸け橋となりたい」と事業推進に意欲を示した。
 ANAカーゴは、全日本空輸(ANA)の貨物事業室が担っていたマーケティング業務とANAロジスティクサービスの空港オペレーション業務などを統合した。多様化する顧客ニーズへ一体的に取り組む。岡田社長は「特に海外空港のオペレーション業務を強化し、貨物の質にこだわっていきたい」と話した。
 ANAの2013年度の国際貨物事業の売り上げは約1100億円となり、初めて1千億円を超え、沖縄貨物ハブ事業の売り上げも12年度と比べ約20%増加した。今後の事業展開について岡田社長は、県が整備する物流センター(ロジスティクスセンター)への企業誘致をヤマト運輸グループと連携して進める考えを示し「パーツセンターだけでなく、加工や修理する企業が入れば、さらなる産業振興につながる」と指摘した。
 那覇空港に15年度をめどに運用開始される航空機整備施設にANAの整備会社が入居することを踏まえ、航空機関連部品の倉庫としての活用にも期待を示した。