ITセンター建設へ 糸満の閉鎖中ボウリング場


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
2007年5月の火災後、長年にわたり閉鎖状態のボウリング場=11日、糸満市糸満

 【糸満】2007年5月の火災後、閉鎖していた糸満市糸満のボウリング場「マスターズボウル糸満店」を所有する不動産業のコスモ総業(大城英男社長)が、今年7月までに建物を取り壊し、跡地に「糸満IT振興センター」を建設する計画を進めていることが13日までに分かった。

 大城社長によると、事業費約10億円をかけ、延べ床面積約4900平方メートル、3階建ての建物を造り、IT関連企業やIT技術者の養成学校を誘致する計画という。2016年4月の開業を予定しており、約800~千人規模の雇用を見込んでいる。
 火災後、長年にわたり放置された建物に対し、地域住民から治安や安全を懸念する声が上がっていたことから、土地を所有する市は昨年10月、コスモ総業に対し、建物の取り壊しと土地の返還を求め、次年度以降の土地の賃貸契約更新を行わない方針を示していた。
 今年2月、コスモはIT振興センターの建設を市に提案し、土地の賃貸契約の更新を求めた。市は、契約更新の協議を再開する条件として、事業計画工程表の提出や、地域住民の同意を得ること、建物の撤去を今年7月までに実施するなど11項目を提示した。
 コスモ総業は先月30日と今月6日に、ボウリング場に近い高干瀬地区の住民約40人を対象に説明会を開き、満場一致で同意を得た。同地区振興会の金城良勝会長は「一日も早く建物を撤去して危険性を排除してほしい。地域に雇用が生まれ、活性化につながると思う」と期待を寄せる。
 市は今後、必要な手続きを経た上で、コスモとの契約更新に向けた協議を再開する考えだ。
 大城社長は「長期間にわたり、地域住民には迷惑を掛けた」とおわびした上で、「南部地区の住民を中心に雇用を図り、IT振興センターを市の活性化の起爆剤にしたい」と展望を語った。