復帰運動の継承誓う 4・28会、会員2人の米寿祝う


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米寿を迎えた「4・28会」の根保清善さん(前列左から2人目)と冨里良一さん(同3人目)=4月28日、沖縄市内のホテル

 【沖縄】サンフランシスコ講和条約の発効日(1952年4月28日)を復帰運動の原点として語り継ぐ「4・28(よつや)会」は4月28日、沖縄市内のホテルで会員2人の米寿祝いを開いた。集まった会員は2人の健康長寿を願い、米軍の人権抑圧と闘った復帰運動の継承を誓い合った。

 米寿祝いを迎えたのは根保清善さん(87)=うるま市=と冨里良一さん(86)=沖縄市。退職教職員らを中心に1973年に結成された「4・28会」の会員として、現職時代の復帰運動の継承活動を続けている。2人は普天間飛行場返還・移設問題を挙げながら「4・28の『屈辱の日』から今日まで分断の歴史は続いている」と話す。
 根保さんは「今やらないとやる時がなくなる」「今できることは行動 今必要なら行動する」と記したメモを持って祝宴に参加した。「沖縄を軍事植民地にしておいて、自分たちは関係ないというのが今の政治の在り方だ。再び沖縄が戦場にならないよう若者にも『4・28』を知ってほしい」と語った。
 教職員の政治行動を制限する「教公二法」の阻止闘争が最も印象に残っているという冨里さんは、「さまざまな運動に参加しているうちに米寿を迎えることになった。沖縄はいつまでも本土政府にほんろうされるのではなく、沖縄人としての気概を持って自立しなければならないと思う」と力説した。