拝啓 ケネディ大使様 「大浦湾、一緒に潜ろう」


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キャサリン・ミュージックさん

 米国ハーバード大学教授などを務めた海洋学者のキャサリン・ミュージックさん(66)=ハワイ在住=がキャロライン・ケネディ駐日米大使にことし2月に手紙を送り、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画を中止するよう求めている。

ミュージックさんはケネディ大使に対して「一緒に大浦湾に潜ろう。一度潜れば、この海のサンゴの美しさと重要性を確信するはずだ」と訴えているが、7日現在、ケネディ大使から返信はないという。英字紙ジャパン・タイムズ紙が5日付の電子版で報じた。
 ミュージックさんは1980年代と2000年代に沖縄に延べ11年滞在し、海洋学者として自然保護の重要性を訴えてきた。
 手紙は、大浦湾の生態系について(1)琉球列島全域で、大浦湾のサンゴ礁に匹敵するサンゴ礁生態系は残っていない(2)太平洋からカリブ海まで世界中のサンゴ礁を襲い破壊し続けている白化現象やサンゴの病気など、さまざまな問題を回避して貴重な生態系を維持している―と希少性を強調。
 「日米両政府の攻撃から、現存する最後の素晴らしいサンゴ礁生態系を守ろう。沖縄の人々を助けてほしい」と訴えている。
 キャサリンさんは本紙の取材に対し「2015年に移設工事のための破壊でサンゴを失うと後戻りできない。米国市民として、米軍施設の建設のため県民の声が無視され、沖縄の貴重な生態系が失われようとするのを見ていられず、声を上げた」と話した。