辺野古制限水域を拡大 日米合意、移設作業へ「臨時区域」


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辺野古沖の立ち入り禁止区域

 【東京】日米両政府は20日、日米合同委員会を開き、米軍普天間飛行場の代替基地建設工事に向けて、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸域で立ち入りを常時禁止する水域を大幅に拡大することを合意した。

沿岸から50メートルの現在の範囲を、工事の施行区域を覆う形で沿岸から最大約2キロに広げる。日米は「臨時制限区域」の枠組みを初めて設定し、期間は「工事完了の日まで」と規定した。制限水域拡大について政府は近く閣議決定し、官報に公示する。公示後に効力が発生する。
 防衛省によると、臨時制限区域は約561万8千平方メートル。在沖米軍基地の提供、使用条件などを定めた日米間の合意文書「5・15メモ」に基づくシュワブ提供水域の「第1水域」(常時立ち入りを禁止)と同じ強制力があり、進入した場合は刑事特別法の適用対象となる。
 従来、第1水域の用途とされている「陸上部分の保安」に加え、臨時制限区域は(1)代替施設建設にかかる区域の保安(2)(米軍が実施する)水陸両用訓練│を用途として追加した。
 臨時制限区域の範囲について防衛省は「工事の施工に必要な範囲」とした上で、住民による移設反対運動などで沖合に船舶が増えた場合「米軍の訓練などに支障が生じる可能性がある」などとして、米軍の訓練を制限しないために設定したと説明している。
 工事完成後の扱いは、「完成した施設の形状に合わせて再度米側と協議する」としている。
 同日の合同委ではシュワブ内に埋め立て工事用の作業ヤードを設置するため、既存の建物を解体することも合意した。防衛省は「当初から予定されていたもの」とし、辺野古漁港を予定している作業ヤードとは別だと説明している。