宜野座米軍ヘリ墜落あす1年 ダム取水停止続く


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 【宜野座】宜野座村の米軍キャンプ・ハンセンに空軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリが墜落して5日で1年になる。墜落現場に近い大川ダムは取水制限となったが、現在も村長らによる現場確認ができていないために取水停止の状態が続き、再開のめどがたっていない。

不足分を補うために漢那ダムから取水していることから、送水ポンプの電気代などがかかり、村が約600万円を負担している。
 大川ダムは事故があった2013年8月5日に取水を停止。8月から14年3月にかけて村や県、米軍が土壌や水に含まれる有害物質や放射線量を調査した。6月に県と米軍の調査結果で正常な値を示したため、當真淳村長や村議会があらためて現場に入り、安全性を確認した後に取水を再開する予定だった。しかし、3日現在、米軍から立ち入り許可は得られていない。
 大川ダムは飲料用のダムで、村民が利用する水源の約3割を取水している。取水停止後は、漢那ダムからの取水を増やそうと通常交互に使うポンプ2台を同時に稼働させるため、配電関係の工事や毎月の燃料代として、6月末までに575万円の費用がかかり、村が全て支払っている。
 村によると、墜落現場で焼失した宜野座区の立木に関しても、昨年12月以降現場の立ち入りができず、被害規模の確認や補償額の算定ができない状況にある。
 當真村長は「一日も早い取水再開に向け、引き続き米軍に立ち入りを要請していく」と話した。(田吹遥子)