辺野古漁港埋め立て契約 防衛局、使用許可なく


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で沖縄防衛局が、海上でのブイ設置や辺野古漁港に作業ヤードを整備するための埋め立て工事など、代替施設本体の準備工事の契約を非公表で行い、大手ゼネコンの大成建設(東京)が複数年契約として五十数億円で落札していたことが分かった。

辺野古漁港は移設に反対する名護市がまだ使用を許可していないが、作業場整備の前提で既に契約していたことになり、批判の声も上がりそうだ。
 防衛局は移設に向けた埋め立て本体工事の本年度内の着工を目指しており、その前段となる準備工事を早期に進めたい考え。
 県に提出した埋め立て申請などによると、準備工事は(1)キャンプ・シュワブ内の作業ヤード整備(2)辺野古地先水面作業ヤード(辺野古漁港)整備(3)美謝川の切り替え(4)工事用仮設道路―など。関係者によると、大成建設が受注した工事には辺野古沖でのブイ設置や海上保安庁のゴムボート用スロープ整備も含まれる。
 防衛局は、護岸用ブロックの製作やその仮置きなどに使用する作業ヤードを辺野古漁港先の水面を埋め立てて整備するため、4月に名護市に漁港の占有許可を申請。市は許可しない方針だが、許可がないまま準備工事が受注された形だ。
 準備工事発注について防衛局は「事業の執行に支障を及ぼす恐れがある」と明らかにしていない。大成建設は「守秘義務があり、答えられない」としている。