感謝の思い歌声に THE BOOM

 12月に解散するバンド・THE BOOM(ザ・ブーム)の全国ツアーの沖縄公演が2日、那覇市民会館大ホールであった。世界的にヒットした「島唄」で知られる同バンドの25年間の音楽活動でゆかりのある沖縄での最後のライブ。その姿を目に焼き付けようと訪れた多くのファンに向け、感謝の思いを歌声に乗せた。

 「星のラブレター」や「TOKYO LOVE」は宮沢和史(ボーカル)が軽快なステップでリズムを刻み、ステージ中を駆け回りる。宮沢が「沖縄でライブをするのを心待ちにしていたが、今日で最後だと思うと複雑な気持ちだ」と語り、「今日の二十数曲に伝えたいことをちりばめた」と立て続けに代表曲を歌っていく。
 小林孝至(リードギター)のかき鳴らす乾いた音色、山川浩正(ベース)の響かせる重低音、栃木孝夫(ドラム)のスティックが生み出す低音から高音。4人が紡ぐ1曲1曲が観客の心に深く染み入っていく。
 その後も宮沢が三線を持ち、歌う「太陽アカラ波キララ」や爽やかな印象の「Call my name」などを次々と歌い上げる。ファンも共に口ずさみ、跳びはね、手を振る。
 沖縄や故郷・山梨への思いに触れ、「沖縄にも歴史のいたずらがあり、権力が押し寄せているのは今も変わらない。誰にも美しい島を渡したくない」との思いを込めた「世界でいちばん美しい島」はしっとりと聞かせる。
 「薄っぺらいことを言いたいのではない。どこにも行けない魂を家族、恋人の元に帰したい。いつまでも凪(なぎ)で笑みがこぼれ、愛する人と幸せになってほしいとの思いで作った」と「島唄」への思いを語る。リードギターと宮沢が弾く三線のイントロで始まり、エイサー団体の太鼓の音も合わさり、歌い始める。
 ファンもこの曲は全身で受け止めようと、直立不動でただ真っすぐにステージに目を向け、口ずさむ。涙が頬を伝うファンの姿も見えた。
 アンコールでは「風になりたい」などを披露。小林、山川、栃木が「宝物の日になった。最後の沖縄を決して忘れない」と感謝を口にして、4人は肩を組みステージで深々と一礼。
 1人残り、最後にもう一度一礼し、名残惜しそうにステージを去った宮沢。「さよならは言わない。泣き、笑いながらもそれぞれの道をこれからも進んでいこう。25年間ありがとう」(宮沢)。感謝の言葉とエールを送り、沖縄での活動に幕を閉じた。(大城徹郎)
英文へ→Japanese rock band The Boom performs final live show in Okinawa


沖縄での最後の演奏を名残惜しみながらも熱い歌声を響かせる宮沢和史(手前)、山川浩正=2日、那覇市民会館大ホール

25年の思いを振り返るように演奏する小林孝至(手前)、栃木孝夫=2日、那覇市民会館大ホール