「乙姫の型」守り10年 劇団うない、那覇で記念公演


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劇団うないの中曽根律子代表(前列中央)ら=12月28日、浦添市の稽古場

 女性役者のみでつくる劇団うない(中曽根律子代表)の10周年記念公演が18日の午後2時と午後6時、那覇市のパレット市民劇場で開かれる。うないは乙姫劇団が2002年に解散した後、故兼城道子ら元団員有志が04年10月に旗揚げした。幻想舞踊劇「針突(はじち)伝説」(船越義彰作)、兼城作の時代人情歌劇「忍び御門(うじょー)」で節目を彩る。

 兼城が09年に亡くなり、中曽根が代表を引き継いだ。中曽根は「心配だったが、前へ前へと無我夢中でやってきた」と振り返る。17人で旗揚げしたが、現在は25人ほどの団員がいる。男役が倒れたときに足を開かないなど、きれいな「乙姫の型」を心掛ける。白長じゅばんを着て品格を出すのも乙姫時代からの特徴という。後援会もあり、チケット販売や舞台設営などで劇団を支えている。
 仲里松子、島静子らベテランに加え、祖慶しのぶ、佐和田香織ら若手も育ってきた。だが中曽根は「方言(しまくとぅば)が自由に使えないので芝居が固い。役になり切れていないことがある」と指摘する。「男も女も老けもできないといけない。里之子だけでなく大人の男を演じてほしい」と望む。次の10年へ「うないのカラーを残していきたい」と力を込める。
 10周年公演の「針突伝説」は若手中心の配役。天涯孤独の綾羽(あやばに)(棚原由里子)が思いを寄せる青年金真弓(かなまゆみ)(花岡尚子)を美しい悪魔風根(かざに)(平良芽美)から守る。「忍び御門」はベテラン中心の配役。金松(かにまち)(中曽根)が城主の娘真鶴金(まぢるがに)(久米ひさ子)と身分違いの恋に落ちる。金松は城中に忍び入り、真鶴金が産んだわが子を連れ去ってしまう。前売り券2500円。5月24日にも沖縄市民会館で記念公演がある。