県、再就職先を支援 コールセンター全従業員解雇


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 宜野湾市のコールセンター「リサイクルコール」(本社・東京)が20日で事業所を閉鎖し、全従業員33人が解雇された問題で、同社の労働組合の代表らは29日、県に対し従業員の再就職支援や労働者を使い捨てにする「ブラック企業」への対策強化を求めた。

県は雇用政策、労働政策、情報産業振興の3課が対応し、従業員の雇用確保を支援する考えを示した。一方、県のブラック企業対策は未定で、県は関係課を中心に沖縄労働局と連携し、検討を進める考え。
 解雇された33人のうち再就職先が決まったのは4人。労組は残り29人の雇用確保について支援を求めた。県は合同企業説明会の紹介やグッジョブセンターおきなわなどを通した支援を検討している。
 このほか、ブラック企業対策として、県の助成金を活用しようとする企業には正規雇用の割合の提示を求めることや、年ごとの採用者数、離職者数、労基法違反件数などの報告を義務付けることなどを求めた。
 ブラック企業対策に関する要請について県から回答はなかったが、担当者らは取材に対し、対策の必要性を認めた上で「県だけで対応できる問題ではない」として労働局とも話し合う考えを示した。
 リサイクルコール社でただ一人の正社員で、労組代表を務める前田和彦さんは「県が企業誘致を進める中、県内へ進出した企業がブラック企業だった場合に、野放しにすべきではない」と対策を求めた。共に要請した県公務公共一般労働組合の長尾健治委員長は「離職率が高い企業には行政がその理由などを確認するべきだ」と強調した。