建物活用で地域再生 名桜大公開シンポ


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「沖縄を元気にするマネジメント」をテーマに開かれた名桜大での公開シンポジウム=7日、名護市の同大

 【名護】「沖縄を元気にするマネジメント」をテーマにした「2014年度名桜大国際学群公開シンポジウム」が7日、名護市の同大で開かれた。人口減少や高齢化の進行で地域活動が厳しさを増す地方もある中で、地域資源を生かした住民参画による町おこしや地域固有の建物を活用した街並みづくりなどによる「再生」「創新」の可能性を探った。

やんばるや沖縄の活性化については、市場を捉えた商品開発による小規模事業者の成長や市場を地域に創出し雇用をつくる仕組みづくりの重要性などが指摘された。
 シンポジウムで千葉大大学院工学研究科の福川裕一教授と特定非営利活動法人ACTY(青森県八戸市)の町田直子理事長が基調講演した。
 福川氏は地域再生へのポイントを市街地の建物に着目し説明した。「デザイン」「スキーム」「ビジネス」の3要素を課題とし、高松市(香川県)や長浜市(滋賀県)などで取り組んだ歴史的な都市構造を受け継いだ街並みの構築について紹介。ビル群を建て続けるのではなく、建物と生活空間が一体となった小規模な環境を連動させることで、次世代型の商業地が生まれると述べた。
 町田氏は民間と行政が役割分担した八戸市の観光商品の開発について語った。その中で、「行政がつくったハコモノを生かし、活用するプログラムをつくるのは民間の仕事だ」と指摘、企画力の発揮が試されていると強調した。
 このほかパネリストとして、県よろず支援拠点の上地哲コーディネーター、名護市商工会の金城茂孝経営指導員、沖縄市中心市街地活性化協議会の広瀬陽タウンマネージャーが参加し、まちづくりのヒントや課題について語った。