親ウミガメ交通事故死 大宜味・国道58号


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 【大宜味】大宜味村喜如嘉の国道58号で、産卵のために海から陸へ上がった絶滅危惧種アオウミガメの雌が16日夜、車にひかれて死んだ。

日本ウミガメ協議会によると、成体のウミガメの交通事故死は全国的にも記録がない。地元のウミガメ専門家らは他にも同様の事故の発生が懸念される場所があるとして対策の必要性を指摘している。死んだウミガメは産卵直前だったとみられ、体内に残っていた約80個の卵を沖縄美ら島財団が保管し、人工ふ化を模索している。
 死んだウミガメは体長約88センチ、体重約87キロ。近隣住民の男性が16日午後10時15分ごろ、大きな音に気付き、事故現場を確認した。
 卵からふ化した子ガメは街灯に誘われて道路に上がる傾向があるため、北部国道事務所は光が海側へ漏れないような措置や照明の種類を変更するなど事故防止策を施してきた。同事務所は「大きな親ガメが上がるのは想定外だった。専門家に助言を受け、対策を検討したい」との方針だ。
 住民から連絡を受け、現場に駆け付けた大宜味村在住で日本ウミガメ協議会の会員・米須邦雄さん(63)は「アオウミガメは海から上がって浜の上の方まで行く傾向がある。砂浜と国道の間に段差を設けたり、電柱(丸太)を置くなどして、進めないようにする必要がある」と指摘する。