性の多様性 理解を 大学生がサークル「nuge沖縄」結成


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セクシャルマイノリティーの当事者や支援者が自由に話し合えるサークル「nuge沖縄」を立ち上げた酒本萌子さん(右)、寺田健人さん=宜野湾市

 県内の大学生が「nuge(ぬーじ)沖縄セクシュアルマイノリティーサークル」を8月に立ち上げた。「LGBT(性的少数者)」という言葉で区切れない多様なセクシャリティー(性意識)を持つ人たちや、それらについて学びたい人が自由に安心して話せる場をつくることが目的。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で広く情報を発信し、会員制は取らずにセクシャリティーや所属は問わない。「ゆるく自由に」出入りして話し合うためで、社会に理解の輪が広がればと思いを込める。

 琉球大4年の酒本萌子さん(24)と県立芸大3年の寺田健人さん(24)が結成した。球陽高時代の同級生だ。同性婚を研究し、当事者が自由に話せる場をつくりたいと考えていた酒本さんと、「自分はゲイだがゲイのことを分かっていない。勉強したい」と複数グループで活動していた寺田さん。8月に東京であった「全国LGBTA学生ミーティング」に参加し、結成を決意した。
 全国ミーティングでは、立場が多様な多くの当事者(LGBT)に支援者(A)が加わり、気兼ねなく意見を交換。その様子に心を動かされ、2人は「沖縄にもつくる」と宣言した。全国の仲間から拍手と声援で勇気をもらった。
 酒本さんは「当事者でないことに遠慮していたが、『支援者も重要』と背中を押された」。男女どちらの性にも属さない「Xジェンダー」を自認する寺田さんは「枠をつくると外れる人が出てくる。全国ミーティングでゲイ以外のマイノリティーを知らないことにも気付いた」。
 サークル名には「LGBT」を入れず、虹を意味するうちなーぐち「ぬーじ」を使った。「『固定概念を脱げ』とも読める。後付けですけど」と2人は笑う。今後は大学やカフェで広報し、気軽なお茶会ほか勉強会を開く予定だ。フェイスブックかツイッター、または電子メール(nuge_lgbtqa_okinawa2015@yahoo.co.jp)で案内する。(黒田華)