16年度教科書選定の教員推薦 廃止は八重山のみ


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 【八重山】2016年度から使用される中学教科書の選定で、現場教員による推薦を廃止したのは県内で八重山採択地区協議会だけだったことが9日までに分かった。調査した子どもと教科書を考える八重山地区住民の会は「調査員の研究報告書が形骸化され調査員の存在がないがしろにされている」と同協議会を批判した。住民の会が、那覇地区や国頭地区など県内の計7地区に聞き取りなどで調査し比較した。

 住民の会は9日、中学公民教科書に保守色の強い育鵬社版を選定した八重山採択地区協議会と、答申通りに採択した石垣市と与那国町の両教育委員会に対し「公平性、専門性が欠けている」などと抗議し、選定と採択のやり直しを求める声明文を提出した。
 声明は「八重山の協議会は委員8人中5人を教育委員が占めており協議会の独立性が侵されている。教委を一人も入れない那覇地区とは対照的で公平性を欠く」「選定の基本となる調査員の報告書が全く反映されていない。協議会の恣意(しい)的な選定への道を敷くもので調査員の専門性をないがしろにしている」などと問題を指摘した。