ウニ養殖に挑戦 沖水2年生が技術学ぶ


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シラヒゲウニの人工授精に取り組む生徒たち=7日、糸満市の沖縄水産高校

 【糸満】糸満市の沖縄水産高校で7日、水産生物の生産や保全について学ぶ総合学科海洋生物系列2年生の生徒19人によるシラヒゲウニの人工授精実習が行われた。減少が進み禁漁対策が取られているシラヒゲウニの完全養殖を目標に、技術を習得することが目的。

 同校では10年以上にわたりシラヒゲウニの種苗生産を行い、飼育した成体を海に放流してきた。本年度からは成熟したウニの商品化を目指して完全養殖に挑戦している。 中村信行教諭は「ウニの資源量が減る中、養殖でウニの供給を賄うモデルケースにしたい。餌を安定確保するため、農業高校との連携も計画している」と意気込む。

 生徒たちは教員の指導を受けながらウニの口に海水を注入し、抱卵や放精を確認した。抱卵が進まないウニには注射器で薬品を注入し誘発した。

 大城海人君(16)と市村悠理君(17)は、選んだウニがなかなか卵を出さずに苦労。あの手この手で抱卵を促した。

 大城君は「海でほとんどウニを見なくなった。養殖技術が確立できれば沖縄の漁場が豊かになると思う」と話し、市村君も「特産品の車エビやモズクは養殖で賄っている。ウニの養殖が進めば沖縄経済もさらに発展するのでは」と期待を込めた。