<金口木舌>若い世代と飲もう


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 「若いやつが一緒に飲まない」。同年代の仲間との飲み会で最近、よく耳にする愚痴だ。どの職場も同じかと思う一方、筆者も昔、先輩によく言われていたことを思い出す。年配には普遍の悩みということだろう

 ▼文化庁の2013年度「国語に関する世論調査」結果が公表された。16~20代で3割が使うと答えた「ディスる(けなす、否定する)」。30代をすぎると使うのは1割にも満たない。「若い世代は言葉が通じないから」という飲み会での冗談も素直には笑えそうにない
 ▼一方、調査では若者世代と年配世代の「人との接し方」への考え方の違いも浮き彫りになった。相手や場面に合わせ態度を変える方か、同じ態度でいる方か。「同じ態度」との回答が年齢が上がるにつれ次第に増えるのは興味深い
 ▼文化庁は「若い人ほど目上に合わせた態度を求められる」と分析する。年を重ねると周囲が合わせるから、態度を変える必要がないということか
 ▼職場内コミュニケーションの不足は昨今の企業の課題の一つだ。ぎすぎすした職場からいい仕事は生まれない。若い世代が上司に合わせて態度を変えないとやっていけないなら窮屈だ
 ▼職場間コミュニケーションの活性化を考えるなら、年配の世代も態度を柔軟にする努力が必要だろう。若い世代を飲みの場に呼び込む鍵も、そこにあるかもしれない。