洞窟包む情熱の音 coba「魂の音楽祭」

 アコーディオニストのcobaがプロデュース・出演する洞窟ライブ「魂の音楽祭 マブイオトvol.6」が11月22~24日の3夜連続で、南城市玉城のガンガラーの谷ケイブカフェで開かれた。

太古の人々の営みの場であった鍾乳洞にアコーディオンの音色が響く神秘の空間と、歌手の藤井フミヤをゲストに迎えた豪華な出演陣。観客を幻想的な一夜へといざなった。
 国内外でアコーディオンのイメージを一変させてきた第一人者のcoba。このほど美ら島沖縄大使の認定を受けた沖縄通でもある。魂の音楽祭はガンガラーの谷の景観と音楽との融合をテーマに、2009年から年1回のペースで開催してきた。
 ライブは冒頭から息をつかせぬ疾走感で展開し、全身で音を発するような情熱的なパフォーマンスが客席を魅了した。天野清嗣(ギター)、バカボン鈴木(ベース)、山内陽一朗(ドラム)という脇を固めた強力布陣とのセッションにも一切の妥協がなく、スリリングなやりとりから高いプロ意識が伝わってきた。
 後半、ゲストの藤井がステージに上がり、伸びやかで色気のあるボーカルが加わると洞窟内の空気は一気に華やいだ。代表作の「TRUE LOVE」「トワイライト」を歌い上げ、天井から鍾乳石の垂れ下がる会場を見渡し「こんな場所で歌うなんてめったにない」と楽しげな様子。そんな藤井のカリスマを盛り立てる側に回った演奏陣の切り替えも絶妙で、インストゥルメンタルとボーカルそれぞれの醍醐味(だいごみ)を聴かせるぜいたくな2部構成だった。
 演奏の合間、2人の肩の力が抜けた軽妙なトークもまた即興的で、大人の味わいがあった。鍾乳洞という特殊な空間とともに、硬軟織り交ぜた上質のエンターテインメントを演出した。
(与那嶺松一郎)


鍾乳洞という会場にアコーディオンの音色を響かせた「魂の音楽祭 マブイオト」

ゲストに迎えた藤井フミヤと共演するcoba=11月23日、南城市のガンガラーの谷ケイブカフェ