【大宜味】大宜味村などやんばるの自然と人をつなぐ取り組みを進めるNPO法人やんばる舎の宮城良治理事長が昨年11月、本部町の森で石川県から飛んできたチョウ「アサギマダラ」を見つけた。
海を越え移動距離は約1350キロ。やんばる舎は2013年から地元塩屋小学校のチョウ観察に協力しており、宮城さんは「子どもたちにもっと興味を持ってほしい」と期待している。
飛来したアサギマダラの個体は11月1日、たまたま車で通りかかった宮城さんが「羽の模様が違うチョウがいる」と発見。羽に「白山 JMC136 8/31」と記されていた。
やんばる舎のメンバーがインターネットで調べると、8月31日に石川県白山市でマーキングされた雄の個体だと分かった。
マーキングしたのは白山市立北陽小学校で校長を務める西村武資さん(57)だった。西村さんは7、8年ほど前からマーキングに取り組んでおり、以前いた学校では児童と一緒に活動した。
アサギマダラは長距離を飛ぶことで知られており、沖縄にも飛来している。西村さんは「(白山市より)もっと北で羽化したものだと思う。小さな体で沖縄まで飛ぶのは感激だ」と喜んだ。
宮城さんは一昨年から大宜味村屋古での塩屋小のチョウ観察の協力を始めたばかり。石川県から飛んできたアサギマダラの写真を子どもたちに見せると驚いていたという。
宮城さんは、自身と同じく児童と一緒にチョウの観察をする西村さんがマーキングしたことに「何かの縁かも。塩屋小の子どもたちと観察会をするなど交流できたらいい」と思いをはせた。
(仲村良太)
英文へ→Parantica sita flies 1350 kilometers across the ocean to Okinawa