「北谷に戻って来てね」 健全育成へ「浦島太郎大作戦」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
<ウミガメ放流>沖へ向かうウミガメを見守る子どもたち=19日、北谷町砂辺

 【北谷】北谷町の子どもたちが19日、県内で保護されたウミガメ13匹を同町砂辺の浜から海に放流した。昔話にちなみ「浦島太郎大作戦」と名付け、地域の青少年健全育成を目指す砂辺区学力推進協議会が主催した。

子どもたちと保護者、地域の支援者ら約200人が参加し、命の大切さを学んだ。
 沖を目指して泳ぐカメに子どもたちは「頑張れ」と繰り返し、大きな声援を送った。協議会の根間一成(かずなり)会長が県内各地で危険にさらされているところを保護したウミガメだという。
 カメの放流を終えた新垣琉空(りゅうく)君(9)=浜川小学校4年、北谷町砂辺=は「かわいかった。世界中を回った後、卵を産みにここに戻って来てほしい」と語った。弟の拓海(たくみ)ちゃん(6)=浜川幼稚園=は「放流する時、頑張れーって声を掛けた。(ウミガメが)世界を旅して帰って来たら、一緒に暮らしたい」と話した。
 参加者は同町の砂辺区公民館から砂辺馬場公園までごみを拾いながら歩いた。子どもたちは捨てられたごみが海に流れると、海の生き物が誤って食べて命が危険にさらされることを学んだ。
 地域の子どもたちのほか、ボランティアの人たちや米軍関係者の子どもたちが参加し、交流を深めた。海の危険生物の見分け方と万が一接触した場合の対処法を学ぶ講座もあった。
 浜川小2年の具志柚音(ゆずね)さん(8)=北谷町宮城=と、新垣初芽(はつめ)さん(7)=同町砂辺=は「海は楽しい所だと思っていたけど、危険な生き物もいると聞いてびっくりした。ごみが海に流れて生き物が死んでいると知って悲しかった」と述べた。