<社説>沖縄研究会設置 根本から基地駐留の議論を


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  全国知事会が沖縄の基地負担軽減を議論する研究会の設置を決めた。昨年12月に沖縄県からの提案を受け、今月29日に開かれた福岡県での全国知事会議の最終日に全会一致で了承された。

 翁長雄志知事は会議で「沖縄の基地問題は一都道府県の問題ではなく、日本の民主主義と地方自治が問われている問題だ」と呼び掛けた。知事会長の山田啓二京都府知事は「共通の理解をつくり、沖縄の皆さんに寄り添っていきたい」と応じた。これを機に、沖縄への理解が全国に広がることを期待したい。
 琉球新報が6月に実施した沖縄以外の46都道府県知事へのアンケートでは、沖縄の海兵隊について「受け入れる」と答えた知事はゼロだった。45都道府県知事は「外交・防衛は国の専管事項」だとして回答すらしなかった。沖縄県が知事会に議論の場を求めたのは、裏を返せば全国的な議論に広がっていないことへの危機感でもある。
 共同通信が昨年実施した戦後70年全国世論調査では、日米安全保障条約を結んだ日米同盟について86%の人が支持した。さらに沖縄の米軍基地については74%が「必要」との認識を示している。
 つまり大多数の国民が日米同盟を維持するため、自分たちの周囲には基地を置くことなく、沖縄への一極集中を容認しているのだ。沖縄から見れば、あまりに身勝手で理不尽というほかない。
 翁長知事は昨年5月、中谷元・防衛相と会談した際、参院予算委員会の自民党議員が2013年に来県した際の発言を紹介している。
 この議員は県内市町村長らとの意見交換の場で、沖縄の基地について「本土が嫌だと言っているのだから、沖縄が受けるのは当たり前だ」と言い放ったのだ。沖縄への基地集中が続いてきたのは、こうした考えが日本全体を覆っているからではないのか。
 中谷防衛相は大臣就任前の14年3月に「分散しようと思えば九州でも分散できるが、(県外の)抵抗が大きくてなかなかできない」と話している。沖縄でどれだけ反対の声を上げても聞く耳を持たないのに、県外の抵抗には二の足を踏む。これを差別と呼ばずして、何と呼ぼう。
 全国の知事には米軍基地駐留の在り方を根本から議論してほしい。翁長知事が会議で述べたように「この問題をわが事として真剣に考えていただけるようお願いする」。